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 ポイント学習とドリル

 「保安管理技術 1」

  冷凍の原理

「冷凍サイクル
 圧縮→凝縮→膨張→蒸発→圧縮の一連の冷媒の循環を冷凍サイクルという。



 1→2 圧縮工程 - 圧縮機で冷媒蒸気が断熱圧縮され、高温高圧の気体になる
 2→3 凝縮工程 - 凝縮器で冷媒蒸気が放熱され、低温高圧の冷媒液になる
 3→4 膨張工程 - 膨張弁で冷媒液が減圧されて、低温低圧の気液混合状態になる
 4→1 蒸発工程 - 蒸発器で冷媒が吸熱して、高温低圧の気体になる
 p2 : 凝縮圧力
 p1 : 蒸発圧力
 h1 - h4 : 蒸発器の冷凍能力
 h2 - h1 : 圧縮機の軸動力

「圧縮機」
 蒸発器で気化した冷媒ガスを、動力を用いて高温高圧の状態に圧縮する機械

<圧縮機の軸動力>
 圧縮機の動力を熱量に換算したもので、理論断熱圧縮動力を
Pth、全断熱効率をηtadとすると
 P=Pth / ηtad

「凝縮器」
 圧縮機で高温高圧になった冷媒ガスを、空気や水などを使い熱を奪い、
 冷媒液に変化させる熱交換器

<凝縮負荷>
 凝縮で放出する熱量で、冷凍能力
Φ0に理論圧縮動力P0を加えて求められる
 Φ
=Φ0+P0 [kW]

「膨張弁」
 
凝縮器で液化した冷媒液を減圧することにより、低温低圧の液体と気体の混合状態にする弁
 ・膨張弁で冷媒を減圧する機能と冷媒流量を制御する機能


「蒸発器」
 膨張弁を出た冷媒(低温低圧の液体と気体の混合状態)が水や空気から潜熱を吸収し、蒸発することにより
 熱交換する冷却器


「ゲージ圧力」
 大気圧を基準とした圧力

「絶対圧力」
 真空状態から測った圧力 --- ゲージ圧力に大気圧を加えたもの

ミニドリル
 冷凍サイクルの圧力比は,蒸発圧力に対する凝縮圧力の比であり、これらの圧力はゲージ圧力を用いて表される。(25-1)
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 解答
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ミニドリル
 凝縮器の凝縮負荷は、凝縮器内の冷媒液から冷却水や外気に放出される熱.量のことである。(24-1)
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 解答
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ミニドリル 平成24年 問題1
 次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、冷凍の原理について正しいものはどれか。

 イ.冷媒は、冷凍装置内で熱を吸収して蒸気になったり、熱を放出して液になったりして、状態変化を繰り返す。
 ロ..蒸発器で冷媒が蒸発するときに潜熱を周囲に与える。
 ハ.冷凍装置の冷凍能力は、凝縮器の凝縮負荷よりも小さい。
 ニ..凝縮器の凝縮負荷は、凝縮器内の冷媒液から冷却水や外気に放出される熱.量のことである。

 (1)イ、ロ  (2)イ、ハ  (3)ロ、ハ  (4)ロ、ニ  (5)ハ、ニ
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 解答
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  熱の移動

 ・熱は高温から低温にのみ移動する → クラジウスの原理

「熱伝達」
 対流や放射によって、壁の表面でやり取りされる熱
 その単位面積当たりの熱量を熱伝達率といい、単位は W/(・K)
 熱の流れにくさは、その逆数で、熱伝達抵抗という 

「熱伝導」
 固体の表面に伝わった熱が、固体中を伝わる熱
 その単位厚さ当たりの熱量を熱伝導率といい、単位は W/(m・K)
 その熱の流れにくさを表すのが、熱伝導抵抗という

「熱通過」
 固体を挟んだ2流体間の熱の移動
 その熱の伝わりにくさを、熱抵抗といい、単位は
 (・K)/W
 熱抵抗の逆数(熱の伝わりやすさ)を、熱通過率といい、単位は
W/(・K)

「平均温度差」
 <算術平均温度差>
  2種類の流体が熱交換をするとき、熱交換器の入口と出口の流体の温度差を算術平均した値

  ⊿t
m = (⊿t1+⊿t2) / 2

「比熱」
 ある物質が単位質量、単位温度差当たり、どれだけの熱量を蓄えることができるかの度合い

「顕熱」
 固体、液体または気体の同じ状態で温度変化に必要な熱

「潜熱」
 固体から液体、液体から気体、またはその逆の状態変化を起こす時に必要な熱

「比エンタルピー」
 冷媒が持っている全熱量(顕熱+潜熱)がエンタルピー[kJ]で、冷媒1kg当たりの熱量を
 比エンタルピー[kJ/kg]という


  冷凍能力、軸動力及び成績係数

「冷凍能力」
 蒸発器で熱を吸収して冷媒が蒸発し、物質を冷却できる能力で1時間で除去できる熱量[kJ/h]で表す。
 [kW]の単位も使用する。


「1冷凍トン」
 0℃の水1トン(1000kg)を1日(24時間)で0℃の氷にするために除去しなければならない
 熱量のことを、1冷凍トン(1Rt)と呼ぶ。

「成績係数」(COP)
 冷凍装置の効率のことで、蒸発器の冷凍能力と圧縮機の軸動力の比
 COP = 蒸発器冷凍能力 / 圧縮機軸動力
     = 
(h1 - h4) / ( h2 - h1)

 <成績係数が小さくなる要因>
  ・圧力比が大きくなると、機械効率は小さくなり、成績係数は小さくなる
  ・蒸発圧力だけが低くなっても、あるいは凝縮圧力だけが高くなっても、成績係数は小さくなる
  ・蒸発温度と凝縮温度との温度差が大きくなると、圧縮機の圧力比が大きくなるので、
   断熱効率と機械効率はともに小さくなり、成績係数は低下する
  ・蒸発温度が低いほど冷媒の比体積の値が大きくなり、冷媒循環量が少なく成績係数は低下する

 <成績係数が大きくなる要因>
  ・圧縮機の全断熱効率が大きくなると、圧縮機軸動力は小さくなり、成績係数は大きくなる
  ・膨張弁前の冷媒液の過冷却度が大きくなると、冷却能力が大きくなるので、成績係数は大きくなる

 <ヒートポンプの成績係数>

 COPhp = 凝縮器負荷 / 圧縮機軸動力
       = 1 + COP
 ・ヒートポンプの成績係数は、冷凍装置の成績係数より理論的には1だけ大きくなる

「圧縮機の吸込み蒸気の比体積」
 冷媒の比体積は、冷媒1Kgの体積 [m3/kg]
 ・蒸発圧力が低いほど、加熱度が大きいほど比体積の値は大きくなる
 ・比体積が小さくなると、冷凍能力は小さくなる

「圧縮機の圧力比」
 圧力比 = 吐出し圧力 / 吸込み圧力
 ・圧力比が大きくなると、断熱効率及び機械効率は小さくなる


「冷媒循環量」
 冷媒循環量 = ピストン押しのけ量 / 冷媒の比体積 [Kg/s]

「冷凍効果」
 冷凍効果 = 冷凍能力 / 冷媒循環量

ミニドリル
 冷凍サイクルの蒸発器で冷媒から奪う熱量のことを、冷凍効果という。(22-2)
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 解答
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ミニドリル
 理論冷凍サイクの成績係数は、理論ヒートポンフサイクルの成績係数より1だけ大きい。(25-1)
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 解答
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ミニドリル
 熱伝導は、固体内の低温端から高温端へ熱が移動する現象である。(24-2)
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 解答
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ミニドリル 平成23年 問題2
 次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、冷凍サイクルおよび熱の移動について正 しいものはどれか。

 イ.冷凍サイクルの成績係数は、冷凍サイクルの運転条件によって変わる。蒸発圧力だけが低くなっても、あるいは凝縮圧力
   だけが高くなっても、成績係数が 大きくなる。
 ロ.固体壁表面での熱伝達による伝熱量は、伝熱面積と温度差に正比例する。流体と固体壁との間で熱が伝わる際の
   熱伝達率[kW/(m^2・K)]の大きさは、流体の種類、状態、流速などによって変わる。
 ハ.水冷却器の交換熱量の計算において、冷却管の入口側の水と冷媒との温度差をΔt1、出口側の温度差をΔt2とすると、
   冷媒と水との算術平均温度差Δtmは、Δtm=(Δt1-Δt2)/2である。
 ニ.ニ段圧縮冷凍装置では、蒸発器からの冷媒蒸気を低段圧縮機で中間圧力まで圧縮し、中間冷却器に送って過熱分を
   除去し、高段圧縮機で再び凝縮圧力まで圧縮するようにしている。圧縮の途中で冷媒ガスを一度冷却しているので、
   高段圧縮機の吐出しガス温度が単段で圧縮した場合よりも低くなる。

  (1)イ、ロ (2)イ、ニ (3)ロ、ハ (4)ロ、ニ (5)ハ、ニ
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 解答
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ミニドリル 平成22年 問題3
  次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、冷凍能力、軸動力および成績係数について正しいものはどれか。

 イ.往復圧縮機の体積効率の値は、圧縮機の構造、運転の圧力比の大きさなどによって異なり、圧力比とシリンダのすきま
   容積比が大きくなるほど体積効率が大きくなる。
 ロ.圧縮機の吸込み蒸気の比体積は、吸込み圧力が低いほど、また、吸込み蒸気の過熱度が大きいほど大きくなり、圧縮機の
   冷媒循環量および冷凍能力が減少する。
 ハ.圧縮機においては、駆動の軸動力に相当する熱量が冷媒に加えられ、この熱量が蒸発器で冷媒に取り入られた熱量と一緒
   になって、圧縮機から凝縮器に向かって吐き出される。
 ニ.実際の冷凍装置は、蒸発温度と凝縮温度との温度差が大きくなると、圧縮機の圧力比、断熱効率と機械効率がともに
   大きくなるので、成績係数が低下する。

 (1)イ、ロ (2)イ、ハ (3)イ、ニ (4)ロ、ハ (5)ロ、ハ、ニ

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 解答
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ミニドリル 平成24年 問題3
  次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、圧縮機の性能、効率などについて正しいものはどれか。

 イ.圧縮機の吸込み蒸気の比体積は、吸込み圧力が低いほど、また、,吸込み蒸気の過熱度が小さいほど大きくなる。
 ロ.圧縮機の圧力比が大きくなると、断熱効率は小さくなるが、機械効率は大きくなる。
 ハ.往復圧縮機のピストン押しのけ量は、単位時間当たりのピストン押しのけ量のことで、気筒数、シリンダ容積および
   回転速度により決まる。
 ニ.圧縮機駆動の軸動力Pは、理論断熱圧縮動力をPth、全断熱効率をηtadとすると、P=Pth/ηtadで表される。

 (1)イ、ロ  (2)イ、ハ  (3)ロ、ハ  (4)ロ、ニ  (5)ハ、ニ

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 解答
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「保安管理技術 2」 

     


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